どうも!義肢装具士のヒラオカです!
ところで、皆さんは義肢装具士という職業をご存知でしょうか?
僕が学生だった頃からマイナーな職業ではありましたが、今では割と知られている職業なんでしょうか?
あまり僕自身「認知度上がって来たなあ」なんて実感ありませんからきっと今でもマイナーな職業なのでしょう。
そんな知られざる義肢装具士の世界を今日は特別に皆さんにお教えしちゃいます!
義肢装具士のイメージ
義肢装具士って漢字ばっかりでなんだかわかりにくいと思いますが、
なんとな~くざっくりしたイメージだと、義手や義足を作っちゃう「物好きなものづくり大好き職人」
こんなイメージをお持ちじゃないですか?
わかります。わかります。
とはいえ、
現代ではそんな職人職人した義肢装具士は少くなっているかもしれません。
現代の義肢装具士?
現代の義肢装具士の多くは「義肢装具販売会社」に勤めており、
そのほとんどが病院などに出張してお仕事を貰いに行くんですねー。
いわゆる「営業」と呼ばれるお仕事です。
そこで出るお仕事とは、病院のお医者さんから「義足作ってー」って言われる事は稀で、
コルセットやインソール、膝サポーターなどなど人の身体に装着するありとあらゆる製品を「処方」されるわけです。
失った手足を作るのが義手義足であれば、人の身体の機能を補う物を「装具」と呼ぶんですね。
そんな装具と呼ばれる製品を作るために病院から頂いたお仕事を会社へ持ち帰って作製していくのです。
そしてできあがった装具を後日病院で患者さんに装着して「納品」するまでが義肢装具士の仕事です!
さぁどうでしょう??
一般的な義肢装具士の働き方ってこんな感じなんですよー!
皆さんのイメージ通りでしたか?
ですが、こんな感じで製作という行程があればまだ「ものづくり職人」って呼んで良い気がしますが
世の中には、ひたすら病院に営業に行きまくる義肢装具士もいるのです!
そう!つまり全くものづくりしてないんですよ(笑)
でもそれでも義肢装具士なんです。
いや、むしろそれが義肢装具士なんです!
なぜかって?
皆さん、ココ重要ですよ〜!
義手や義足、コルセットやインソール等の装具を作るのに、
義肢装具士の免許要らないんですよ〜!(笑)
まじでこれ、義肢装具士養成学校に入学した後に知らされるんで気を付けて下さいね!
皆さんも想像して欲しいんですけど、
義肢装具士ってイメージは最初に言った通り「ものづくり」ってイメージがあるんですよね。
そしてそんな義肢装具士を目指す若者の多くは、
小さい頃から、ものづくりが好きで義肢装具士の門を叩くわけです。
それがいざ入学してごらんなさい。
せんせー!
義肢装具士の免許取って
ものづくりしたいです!
え、作るだけなら
免許いらなねーぜ!
こんなふうに間髪入れずに言われてしまう訳です。
でもね、その時点で親に大金を支払ってもらって入学してるわけですよ。
後に引けないじゃないですかー!
こうして、また一人犠牲になる若者がいたのであった。
義肢装具士の免許が必要な訳
それじゃあなんで義肢装具士と名乗るのに免許が必要なのかと言うと。
お医者さんの指示のもと、患者さんの身体を計測したりギプス包帯等で型をとる行為が「医療行為」に当たるからなんです。
↑これもお医者さんの指示を受けていれば医療行為
つまり、義肢装具士は人の手足を無闇矢鱈に作ってる人ではなく、患者さんの身体を見て一番最適な状態になるよう製品を「適合」させるのが主な仕事になります!
こういった話をすると感の鋭い方はお気づきかもしれませんが、
な〜んだ。
義肢装具士って手先の器用さとか必要無いんだ!
って思いますよね?
そうなんです!
義肢装具士の仕事って実は手先の器用さなんてあまり求められません。
製品を適合させる能力があれば義肢装具士は務まるのですから!
だがしかし、
この適合という2文字が我々義肢装具士を苦しめるのです。。。
おっと、苦労話に繋がりそうなので話を元に戻すと、
患者さんの身体に上手く適合させるためには適切な医療知識が必要になってくるんです!
そのため、義肢装具士って資格は
国家資格なのです!!ドヤャゃや
国家資格ってなによ?
いやいや
そんないきなりドヤられても
国家資格ってなによ?
って思った方。
確かにそう言われてみると国家資格ってなんなんでしょうね?
せっかくなんで調べてみました↓
国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。
文部科学省
だそうです。
ふむふむ。なるほど。
なんだか小難しい説明で分かりづらいけど、要は日本という国が
あんた義肢装具士できるよ!
頑張りなよ!
って太鼓判を押してるような感じですかね?
え、じゃあ国に認められる資格ってすごいじゃん!
って思いますよね?
実はそんな事も無くて、国家資格って結構な数があって
その中でも国家試験の合格率で言うと高い方になるんだと思います。
まぁまぁ、合格率の話をし始めると余計な事まで喋りそうなのでここでとめておきましょう。
まとめ
まあまあグダグダ喋ってきましたが、義肢装具士って職業のイメージがつきましたかね?
資格を取得するのに3年から4年かけて学び、国家試験を受けて合格しないと義肢装具士になれないんです。
その上、仕事の内容は「ものづくり」というより働く会社によっては「営業マン」に近い場合もあります。
僕自身、資格を取得して初めて働いた会社では業務の内容に「製作」の行程は無く、ただひたすらに病院へ「営業」しに行ってたんですけど、性に合わなかったんですかね?
思い描いていた義肢装具士像とのギャップに苦しんだ時期も有りましたが、今実際にインソールだけですが「ものづくり」するようになってからは世界が変わりました!
自分が作った商品や製品が他人に評価されるのって凄くやり甲斐を感じるんです。
以前は、自分で製品を作って無いので製品を受け渡す時も上手くプレゼンできないし、患者さんの感覚も共有できなかったのですが、
自分が丹精込めて作った製品は全く逆ですね!製品についての説明も饒舌にペラペラ喋りますし、患者さんの感覚もある程度共有できるので、より細やかな調整もできたりします。
人によって働きやすさは違うと思いますが、やっぱり義肢装具士ってのは「ものづくり」が生き甲斐の人なんだなぁと思っているこの頃。
なんだかんだ職業選択間違って無かったっぽいです(笑)
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